内視鏡マーケティング部 上部消化管内視鏡販売促進
横田 公亮(2013年入社)
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
内視鏡マーケティング部 上部消化管内視鏡販売促進
横田 公亮(2013年入社)
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
上部消化管の内視鏡のマーケティングやクリニック市場での販売促進に携わっています。それまで前例がなかったプロダクトにキャッチフレーズをつける試みや他社との協業など、新しい挑戦に積極的に取り組んできました。自由な風土の中で挑戦し続けられることにおもしろみを感じますね。
国内の販売を担当しているオリンパスマーケティングで、医療国内マーケティング本部に所属し、上部消化管の内視鏡検査に使う内視鏡(スコープ)のマーケティングを行っています。売上を伸ばすことをミッションに、販売促進に活用するカタログなどの販促資材を制作することや市場ニーズを吸い上げること、医師の先生方から得た情報を開発担当やグローバルのマーケティング担当と共有することが主な仕事です。
具体的には、顧客である医師の先生方に訴求するポイントを考えて、製品のキャッチコピーやカタログに落とし込んでいったり、営業に対して新製品の情報を提供して研修を行ったり。製品へのニーズをキャッチするため、学会に参加するなど情報収集にも力を入れています。
自分が扱う製品に愛情を感じられるかどうかがまず重要だと思います。全国的に著名な先生と面談するなど、貴重かつ責任をともなう経験ができるので、市場を変えていきたい、会社や社会に貢献したいという熱い想いがあればあるほど、楽しめる仕事なのではないでしょうか。
本来、営業が頑張って売ろうとしなくても、勝手に製品が必要とされて売れていくような仕掛けを考えることがマーケティングの本質だと思っています。ありがたいことに、製品力のある製品プロモーションを担当することが多いのですが、発売時などは、初めての試みなどなんらかの取り組みに挑戦するように心がけています。当社として開発・製造も含めた担当者の総力を結集して生み出したプロダクトです。そこにいわば味付けを施し、よりおいしくするのがわれわれの役目。また、マーケティングは目先の売り上げだけじゃなく、将来的にこの製品を導入することが、5年、10年先の売上にどのような影響を及ぼすのかという長期的な視点を持って仕事をすることも大事にしています。
オリンパスは、組織として高いパフォーマンスを発揮する上で欠かせない“Unity(結束力)”を備えていますが、今後、市場がめまぐるしく変化していくことが予想される中、さらなるスピード感が求められることになると考えています。“Agility(迅速さ)”の要素を積極的に取り入れるとともに、取り組みの内容に将来性・発展性があるかどうか、“Long-Term View”の観点から問い続けることが大切だと思っています。
大学ではもともと興味があった福祉を専攻。卒業後は福祉・介護事業を手がける会社に入社し、介護スタッフを務めました。福祉・介護を充実させるためにはマネタイズする仕組みが欠かせないという考えに共感したのが理由です。
その後、引き続き介護に携わりたいという気持ちがあり、良質な紙オムツを作っていた大手製紙メーカーに転職。法人営業担当として老人ホームなどの施設に商品を販売するのが仕事です。介護スタッフの方を相手にオムツの正しい使い方の指導なども行いました。
その会社では海外営業を経験。アジア諸国で大人用オムツの導入に携わったのですが、競合していたグローバル企業の存在感に圧倒され、自分もそんな会社で働いてみたいという憧れを抱くようになり、オリンパスと出会いました。
入社後、名古屋で5年ほど内視鏡の販売を担当した後、自ら異動を希望してクリニック市場のマーケティング業務に就きました。営業の仕事にやりがいを感じていましたが、マーケティングの担当者から新製品に関する説明を受けるうちに、自分でもやってみたいと思うようになりました。当時の上司からの応援もあり、念願が叶ってマーケティングの仕事をするようになり、いまに至っています。
マーケティングの仕事をしていると、長く営業をやっていてよかったと思うことがよくあります。たとえば、マーケターが面会できる先生の数は限られているので、入手できる情報は限定的です。営業の経験がなければ、どれが正確な情報なのかを判断できなかったと思います。また、新製品販売促進のための旗振り役を務める際、どんなふうに情報を渡せば営業担当に響くのか、逆にどんなことをすると反感を買ってしまうのかがわかるので、以前の経験が生きていると感じます。
マーケティングの仕事をするようになってからは、家電量販店などの販売手法を日頃から注意して見るようになりました。各社それぞれ努力して販促策に取り組んでいるので、勉強になることが多いですね。患者さんに『オリンパスの内視鏡で検査を受けたい』といってもらうにはどうすればいいのか。CSRの観点も取り入れながら考えることが大切だと思っています。
印象に残っているのは、2つです。
ひとつは、新しい内視鏡システムのスコープをローンチしたときのことです。国内向けの戦略的製品としてキャッチフレーズをつけて販売することを提案しました。当時、内視鏡にうたい文句をつける前例がなく、上司も最初は戸惑った様子でしたが、最終的には後押しを受けて実現に至りました。
鼻から挿入する経鼻内視鏡と呼ばれるとても細いスコープなのですが、市場を開拓した他社製品の人気が高く、オリンパスは苦戦を強いられていました。そんな中、その新しいシリーズのスコープの撮影画質は、倍くらいの太さがある従来のオリンパス経口スコープの画質を上回っていて、伸び悩んでいた細径内視鏡市場におけるシェア拡大ができるのではないかと期待されていたんです。“経鼻”というと“経口”よりも劣る製品であるかのような誤解を生むため、印象に残る名前をつけたいと考えました。そこで、学会内で“極細径内視鏡”が正式名称とされている点に着眼し、その名前で売り出せないかとグループ内で検討を始めたんです。ところが、“極細径内視鏡”はなんとも発音がしづらいので、これでは普及しないという結論に。そこでさらに考えを重ねて出てきたのが、“GoXsai”というキャッチフレーズでした。結果、多くの先生方から、コンセプトを含めネーミングについて評価いただき、いまでは国内の消化器内視鏡の売り上げを支える製品となっています。
もう一つは、他社との協業が実現したことです。
当時、クリニック市場のマーケティング業務を担当。内視鏡が撮影した画像を保管するシステムとの連携に課題があり、非常に戦いづらい状況でした。競合他社が、内視鏡だけでなく画像を保管するデータベースや放射線情報管理システムも含めて複合提案している中、オリンパスの内視鏡を導入しようとすると、他社のシステムと接続するために高価な中継機を購入する必要がありました。そこで、どうにかしてオリンパスの内視鏡からダイレクトに外部の画像サーバーと接続することは出来ないかと考え、色々な部署の協力を得ながらクリニック市場の放射線情報管理システムで大きなシェアを占めるコニカミノルタ社との連携が実現できました。
オリンパスの内視鏡が他社の機器とダイレクトに接続されたのはこれが初めて。それまで社内のレギュレーションの関係でかなわなかったことを実現することができ、こうした両社の将来に関わる取り組みを主導させてもらえたことは、とても貴重な経験になりました。
そのときも、名称を提案し、両者の企業カラーから“BLUE Link”と名づけることになりました。
このように、自分自身のアイデアももちろん、仲間たちとのアイデアが活かされる場面が多く、非常に手応えを感じながら取り組むことができたことが今でも印象に残っています。
今、マーケティングという仕事で、営業部時代で培ったことを活かしながら、営業部ではできなかったことに取り組めているところにやりがいを感じているため、引き続きマーケティングでいろんな仕事に挑戦したいです。クリニック向けクラウド型内視鏡レポートシステムは昨年の暮れに市場導入したのですが、きちんと軌道に乗せることができるように、長期的な視野で布石を打っていきたいと思っています。国内営業全体に貢献できる大きな仕掛けに関わることができることにおもしろみを感じているので、これからも挑戦し続けたいです。
また、挑戦しやすい環境があるのも当社の魅力だと思っています。これまでと同じことを繰り返すだけでは、数字が伸びていきません。誰もがそれを知っているので、常に新しいことを考え、取り組ませてもらえる雰囲気があることはありがたいです。中長期的なことでいえば、海外での仕事にチャレンジしてみたいという想いがあります。海外経験があるので、これまでの成功事例がそのまま当てはまるとは思っていませんが、国内で培ってきた経験をグローバルで活かせたらいいですね。