健康経営に関する取り組み
基本的な考え方・方針
オリンパスグループは、グローバル行動規範の中で「安全で衛生的な職場環境を最優先とし、職場での事故や職業病を防ぐための事前措置を講じ、
働きやすい環境づくり・健康とウエルネスの促進を図る」と定めています。
この推進に向けて、当社では「オリンパスマーケティング健康宣⾔」を制定し、社員とその家族の健康維持・増進を支援しています。
健康宣⾔の制定に合わせた重点取り組みとして、受動喫煙対策を推進するとともに、生活習慣の改善指導や、がん早期発⾒のためのがん検診の受診勧奨と
費用補助、ココロの健康障害の防⽌などを通じ健康維持・増進を進めています。
オリンパスマーケティング健康宣言 ~「人々の健康と幸せな生活の実現」のために~
オリンパスグループの健康宣言に基づき、オリンパスマーケティング株式会社は、会社の財産である社員の健康と幸せな生活の実現にむけ、働き甲斐がもてるような職場環境を整え、社員一人ひとりが自分自身で心身共に健康を管理することができるよう健康支援に取り組んでいきます。
推進体制・取り組み
推進体制
当社では健康支援活動に加えオリンパス健康保険組合と協⼒し、会社との「コラボヘルス」の取り組みを機動的に⾏えるような体制を構築しています。
特に健康支援の体制としては、事業所の規模に応じて、専属産業医、契約産業医、保健師・看護師を配置し、健康支援体制の整備・強化を推進しています。
また、社内だけではなく、外部機関とも連携して健康相談窓口を設置し、ご家族を含めて利用できるような体制を用意しています。
外部認定
健康経営法人2022/スポーツエールカンパニー
当社では、健康増進活動や健康リスク低減にむけた施策を積極的に展開しており、3年連続で「健康経営優良法人」に認定されました。
また、社員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業として、2年連続で「スポーツエールカンパニー」に認定されました。
今後も健康保険組合と協力して、社員とその家族が健康で生き生きと働ける環境づくりを継続し、健康増進活動に積極的に取組んでいきます。
※ 「健康経営優良法人」とは、経済産業省と日本健康会議が共同で運営する制度で、健康保険組合等と連携して優良な健康経営を実践している⼤規模法人を顕彰する制度です
※ 「スポーツエールカンパニー」とは、スポーツ庁が社員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業に対して認定する制度です
活動と実績
がん検診の取組み
当社では、がんの早期発⾒のために内視鏡などを用いた「がん検診」の充実に取り組んでいます。
がん検診費用のほとんどは社員・家族(被扶養者)ともに健康保険組合が全額補助し、社員の内視鏡検査は⾼い受診率であることと、婦人科検診は社員・家族(被扶養者)とも対象年齢を全年齢とし、がんの早期発⾒に努めていることが特徴です。
受診率の更なる向上を目指し、がんに関する知識を理解し受診につながるように、オリンパスグループでは毎年eラーニングによる教育を実施しています。
また、要精密検査対象者に対する受診勧奨を行い、精密検査受診率の向上、がん検診の精度管理に努めています。
検診の対象者は前回の検査から⼀定の条件で抽出し、システムから当年度の受診を勧奨する(がん検診の)「コール・リコール」※と呼ばれる取り組みをしています。
※ コール・リコール:受診歴データから対象者を抽出し、システムから⾃動で受診勧奨メールを送る仕組み
がん検診メニュー
検査項目 | 対象 | 健保費用補助 | 受診勧奨※年 |
---|---|---|---|
胃がん(内視鏡) | 35歳以上 | 全額 | 2年に1回 |
胃がん (ペプシノゲン検査) |
35歳以上 | 全額 | 胃内視鏡を受診しない年 |
大腸がん(内視鏡) | 35歳以上 | 全額 | 3年に1回(40歳以上) |
大腸がん (便潜血検査) |
35歳以上 | 全額 | 大腸内視鏡を受診しない年 |
乳がん・子宮がん | 全年齢女性 | 全額 | 2年に1回 |
前立腺がん (PSAマーカー) |
50歳以上男性 | 全額 | 2年に1回 |
腹部超音波検査 | 40歳以上 | 全額 | 2年に1回 |
肺がん (肺ヘリカルCT) |
40歳以上 | 半額(上限5,000円税込み) | 個人の判断で受診 |
がん検診受診率(経年受診率※)
検査項目 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 目標 |
---|---|---|---|---|
胃がん(%) | 91.3 | 94.9 | 89.7 | 90 |
大腸がん(%) | 81.3 | 89.3 | 77.6 | 90 |
乳がん(%) | 77.5 | 84.9 | 78.9 | 80 |
子宮がん(%) | 70.7 | 81.6 | 71.7 | 80 |
※ 経年受診率:がん検診の項目毎に受診して欲しい年数間隔を設定し、その年数内に受診した人数を対象者数で除したもの
生活習慣病の予防に向けた健康増進活動の実施
社員のパフォーマンス向上のためには、心身の健康維持増進が必要と考えています。
当社では、生活習慣病の予防として特定保健指導の取り組みを推進しており、健康管理室に勤務している保健師・看護師が社員の面談・指導をしています。従来はマンツーマンでの運動指導に取り組んでいましたが、現在は運動啓発のための動画オンライン配信などを活用しています。(2021年度オリンパスグループ延べ1347人参加)
また、社員に対する健康支援を目的としたコミュニケーション強化策も積極的に展開しており、昨年度からはオリンパスグループ内への健康に関する定期的なニュースレターの発信も始まり、合計11回の情報発信を行っています。
併せて、社員の健康管理への意識醸成と活動支援を目的に、健康保険組合主導でポータルサイト「ウェルスポートナビ」を導入し、⼀人ひとりの健康支援活動の促進を図っています。このポータルサイトも活用し、健康キャンペーンを積極的に展開しています。
当社の活動状況(2022年3月期)
実施月 | セミナー内容(動画オンライン配信) |
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7月・8月 | 仕事効率をアップさせるための食事術 |
11月・12月 | 生活習慣病予防のための生活のヒント |
1・2月 | 今日から実践!ヘルシーレシピのコツ |
1月・2月・3月 | フィットネス集中プログラム(全8回開催) |
オリンパスグループの主なキャンペーン状況(2022年3月期)
実施月 | キャンペーン名 |
---|---|
4月 | 春のウォーキングキャンペーン |
6月 | 歯磨きキャンペーン |
7月 | 夏のウォーキングキャンペーン |
10月 | 秋のウォーキングキャンペーン |
11月 | 歯磨きキャンペーン |
12月・1月 | 年末年始体重管理キャンペーン |
1月 | 冬のウォーキングキャンペーン |
禁煙に向けた取り組み
当社では受動喫煙防⽌に向けた活動として、全拠点において2020年3月末までに建屋内の全面禁煙を、さらに2021年 3月末には敷地内の全面禁煙を完了しました。
その他、喫煙者への禁煙支援については、産業保健スタッフの支援や、健康保険組合が全額費用補助をし「オンライン禁煙外来」を提供しています。
これらの活動を通じて2022年3月末における喫煙率は20.5%まで低減しました。
喫煙率 | |
---|---|
2018年3月期末(取り組み開始時) | 33.9% |
2019年3月期末 | 31.0% |
2020年3月期末 | 28.9% |
2021年3月期末 | 27.6% |
2022年3月期末 | 20.5% |
ココロの健康障害の防⽌(メンタルヘルス)
当社では、以下の4つのケアを組み合わせて予防措置から不調者対応、復職までを支援しています。
セルフケア | eラーニングや、メンタルタフネスのセミナーなどメンタルヘルス教育の実施。 |
---|---|
ラインケア | 職場のマネージャーを対象としたメンタルヘルスのセミナーを開催。 職場のマネージャーからの相談窓口の設置。 |
事業場内産業保健 スタッフによるケア |
産業保健スタッフによる相談対応と日常的なケアの実施。 予防措置強化ための新入社員、中間採用者全員面談の実施。 産業保健スタッフと人事部門が連携した不調者の復職プログラムによる取り組み。 |
事業場外資源によるケア | 心理カウンセラーによる相談対応、セミナーの開催。 オリンパス健康保険組合が契約する、メンタルヘルスカウンセリングへの相談窓口の設置。 |
法定ストレスチェックは、オリンパスグループ会社を対象に⼀⻫に実施しています。結果による面談も適切に対応し、支援が必要な社員への早期対応を図っています。
今後もメンタルヘルス施策の⼀部として、効果的な活用を検討していきます。
治療と仕事の両立支援
疾病を抱える社員に対して生活の安定と治療の機会を逃すことなく生き生きと働き続けられるよう、社員の実情を考慮した就業制限の措置および有給休暇やフレックス制度、在宅勤務制度などさまざまな支援制度を進めてきました。
2022年4月からは社員をさらにサポートする取り組みとして、厚生労働省が支援を推奨する疾病に対して特別休暇を付与する制度を導入しました。
感染症に対する取り組み
感染症予防に対する取り組みとして、以下の活動を実施しています。
- 医療施設へ訪問する全社員に対して産業医による感染症予防教育の実施
※2021年度は全対象者(受講率 74.4%)、2022年度は新入社員・中間採用者(受講率 97%) - 医療関連の従事者への抗原抗体検査および予防接種の無償化(B型肝炎、麻疹、風疹、おたふく風邪、水ぼうそう)
- 2020年3月期からは風しんの抗体検査を健康診断時に併せて実施(1962年4月2日〜1979年4月1日生まれの男性を対象とした厚生労働省の「風しんの追加的対策」への対応)
- 新型コロナウィルスワクチンの職域接種の実施(2021・2022年度に接種を希望する全社員に対して1~3回目を実施)
- インフルエンザ予防接種費用の⼀部補助
女性健康支援の取り組み
女性健康支援の一環として、女性特有の健康課題に関する情報発信を毎年行っています。今年度につきましては、更年期症状のメカニズムなどの基礎知識に併せて、症状への対策、女性ホルモンバランスを整えるために必要な食事や運動といった生活習慣の改善方法を動画オンライン配信にて行いました。
健康支援に関する主なデータ
健康支援において、基本となる活動(定期健康診断、ストレスチェック等)も適切に実施しています。各年度別の実績値は次の通りです。
データ項目 | 内容 | 活動目標 | 2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
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健診受診率 | 定期健康診断の受診率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
健診事後措置実施面談実施率 | 定期健康診断の事後措置対象者への 面談実施率 |
100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
有所見率 | 検診結果にて異常所見がある社員の割合 | 20%以下 | 32.4% | 33.8% | 23.3% | 20.7% |
ストレスチェック 受検率 |
ストレスチェックの受検率 | 95%以上 | 94.6% | 95.5% | 94.4% | 89.2% |
高ストレス者率 | ストレスチェック受検者のうち 高ストレス者の比率 |
11%以下 | 11.8% | 10.1% | 11.7% | 13.1% |
メンタル休業者率 | メンタル疾患で6日以上休業されている社員の割合 | 1%未満 | 0.90% | 0.50% | 0.80% | 1.40% |