営業現場を想いながら、新しい環境づくりに挑戦する。

経営戦略 プロジェクトマネジメント
高橋 勇輝(2009年入社)

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

世界規模のオペレーティングモデル構築を目指すグローバル・ビジネス・サービス(GBS)。グローバルグループの一員として、OJとして取り組んでいます。日本での働き方を大きく変えていく一翼を担う中で、営業出身だからこそ、営業現場のための環境を整えるという新たな仕事にチャレンジ。仕事をし続ける中で、「かっこよくありたい」ですね。

グローバルなオペレーティングモデルの実現がグループ全体の生産性能向上につながる

業務内容を教えてください。

オリンパスグループ全体で推進するグローバル・ビジネス・サービス(以下、GBS)を、日本の販売を担当するオリンパスマーケティング株式会社(以下、OJ)でPMOとして推進しています。GBSというのは、間接業務と支援業務の一部を集約し、海外のグループ企業や外部企業へのアウトソーシングによって業務プロセスの標準化・効率化を図る取り組みのこと。グローバルでの新たなオペレーティングモデルの構築を目指すプロジェクトです。

業務移管によって効率化が実現すれば、作業にかかる時間が削減されるだけでなく、生み出されたリソースをほかの業務にあてることができます。受発注業務を一拠点に集約させることで、コストの面でも業務の進め方の面でも、グローバルでの効率化が見込めます。将来的には、欧米圏を含めた受発注業務の一元管理化も視野に入れて取り組んでいます。

どんなところにやりがいを感じていますか。

日本の販売会社であるOJにいながら、GBSのように、グローバルグループとしてのプロジェクトに関われることに、大きなやりがいを感じています。入社以来、長く携わってきた営業やマーケティングとはまったく違う種類の仕事ですが、営業の現場やマーケティング部門がさらに生産性を高め、本来の仕事に専念したり、新しいことに取り組んだりできる環境を作るプロジェクトなので、間接的ではありますが、現場にいる仲間たちを支えることができていると思っています。また、これまでの経験で培ったコミュニケーションスキルや周囲を巻き込む力など、自身の強みが活かせる場面は少なくないと感じています。

オリンパスには挑戦できる文化がある。大切なのは、自分で自分の限界を決めないこと

これまでどのようなお仕事をご経験されてきたのでしょうか?

はじめに営業として北海道の北エリアを担当し、約6年にわたって内視鏡や内視鏡の中を通して組織の一部を採取したり切除したりする処置具を販売していました。その後、マーケティング部門に異動し、約6年、胆膵系の処置具を担当。市場のニーズ調査や新製品導入計画の立案・実行、販売促進物の企画・作成、社内外に対する販売促進などに携わりました。

マーケティング部門では、全国の営業担当に向けて研修を実施し、先生や施設の方に対してプロモーションしてほしい製品の特徴や強みを伝えたり、開発と営業の言い分を調整して着地点を探ったりする役割があります。この両面で現場の営業をしていた経験を生かすことができたと思っています。たとえば、製品のプロモーションにおいては、当時、私が担当していた胆膵系の処置具は、当社の消耗品ビジネスの中で最大の売上を占めていて、エース級の営業担当が揃っていました。彼らに動いてもらう方法を考え、現場がほしいと思う情報をマーケティング活動に落とし込むことを強く意識して取り組みました。また、開発と営業の間では、営業現場の声を伝える代表者として、開発の皆さんに意見を伝え、建設的な議論ができたと思っています。このように、製品にかかわる様々な人たちや組織全体が動いていくのを実感することができたとき、本当に嬉しかったです。もし、現場の経験がなかったらと考えると、先輩社員や開発の意見を尊重しすぎてしまい、現場の意見を伝えきれなかったかもしれませんね。

そして、現在は経営戦略室でGBSという、さらに全体を俯瞰した仕事に取り組んでいます。だいぶ毛色の違う仕事ではありますが、OJでの仲間たちがパフォーマンスを上げられるための環境づくりというところの仕事ということで、改めておもしろさを感じています。

さまざまなご経験をされてきたのですね。

そうですね。異なる職種に異動になると、これまで経験したこと、学んだことを活かせるだろうかと不安になるものですが、大切なのは、それまでに培ったことを新たな職場においてどう変換し、役立ていくかだと思っています。特定のスキルよりもむしろ、さまざまな経験から身につけた教養や技術など。たとえば、『私には営業しかできない』と、自分で可能性を狭めないことが大事だと思います。

若手のころは、周囲の影響を受けてしまいがちですが、自分で自分の限界を決めずに、チャレンジを繰り返してほしいですね。自分自身、失敗を繰り返しながら、最良と思えるステップを踏んで、自分の幹を太くしていけたらなと思っています。

責任をもって選択・決断することが成長の鍵。後輩とのノウハウ共有も惜しみなく

仕事をする上で大切にしていることがあれば教えてください。

一つ目は、責任をもって決断していくために考え抜くこと。これはマーケティング時代の上司から教えられたことで、自分自身の行動指針にしています。仮にAとB、ふたつの選択肢があった場合、どちらが正しいかをひとりで悩み続けるのではなく、どちらか一方を選択し、それを選んだ理由について、周囲を納得させるまで明確にすべきだと手ほどきを受けました。その上で、トライ&エラーを繰り返しながら業務を進めることを今でも大切にしています。特に現在はプロジェクトを動かしていくPMOという立ち位置にいることもあり、周囲を巻き込んで仕事を進める上では非常に重要だと考えています。

もう一つが、失敗を恐れない気持ちです。もちろん、Aで進行することに決めた後、Bが正解だったとわかることだってあります。しかし、決断の過程で考えたこと、自分の出した答えのどこに間違いがあったかを振り返ることで、次の成功につなげられる、成長する機会となります。だからこそ、臆せず取り組むようにしています。

私自身、「かっこいい」を体現し続けたいと思っています。成果を出す、成長しつづける、これらが「かっこいい」こと。『役職が上がればできるようになるだろう』ではなく、『いまそれができないと次のステージに上がれない』という気持ちでいつも考えています。決断を人任せにせず、自分が責任をもって自ら選択することは、キャリア形成の観点からも大事だと思っています。

後輩の育成という点ではいかがでしょうか?

後輩の育成をいつも気にかけていて、後輩の成長が早まるのであれば、自分が培ってきた知識やノウハウは、惜しみなく共有したいと思っています。過去を振り返ってみて、1年目や2年目のときに知っていれば、もっと早く成長できただろうと思うことがよくあるんです。自分が10年かけてできるようになった仕事を、後輩には5年で成し遂げてほしい。会社全体で見た場合、社員の価値が高まって大きな戦力となることはプラスでしかありませんから。もちろん、上司や先輩の意見をすべて取り入れる必要はないのですが、成長スピードをあげることを意識して、これまで経験を積んできた人たちの話を積極的に聞いて、どんどん吸収してほしいなと思います。

当社全体として、年齢や性別など関係なく、さまざまな人が活躍できる会社を目指していますので、資質さえ備わっていればマネージメントに抜擢されるなどという可能性もあるんじゃないかと思っています。メンバーには、ぜひ、そんな気概を持ってほしいですし、自分自身もそうした姿勢を背中で見せられるようになっていきたいですね。

いずれはコーポレート部門で活躍したい。課題解決に役立てる限り、ここを居場所に

今後の展望を聞かせてください。

経営企画を担う部署に身を置き、高い視座が得られたことで、営業やマーケティングをしていたときとはまったく違う景色が見えるようになりました。とくに、人事やファイナンス系といった部門が会社の核をなしていることを知ることができたのは大きかったと思っています。

グループ全体が今後ますます強くなっていくための「かなめ」となるであろうコーポレートの領域にもチャレンジし、いずれは自分の力をその領域でも役立てられたらと思っています。PMOとしてコーポレート部門と関わる機会が多いので、自分のスキルをどう変換し役立てることができるかという点でも、知見を深めているところです。

オリンパスグループ全体が抱えている課題を解決していくという、これまでより広い観点で、まだ自分にできることがたくさんあると考えているんです。幸運なことに、その課題解決に向けて実行するポジションに置いてもらっていますので、まさに今、自分の力を試すチャンスだと思っています。変革の真っただ中にいる当社で、その変革に貢献したい気持ちが強いです。『自分がここにいても何もできないし、何も変わらない』と思う日がくるまで、ここで力を尽くし、成長し続けたいですね。